前回の記事では、
突然あらわれた異変から、
ITP ( 特発性血小板減少性紫斑病 )ってどんな病気?
HTLV-1 ってなに?という
病気の はじまりの部分を中心に 書いていきました。
よろしければ、前回の記事、
《【実録】腕がまっ青!特発性血小板減少性紫斑病(ITP)のはじまり/HTLV-1も発覚 》
こちらも、ご覧ください。
今回は その後のお話。
血液内科のある病院を紹介されて、受診したところから はじまります。
- 特発性血小板減少性紫斑病の実際のデーター
- フォン・ヴィレブランド病ってどんな病気?
- EDTA依存性 ( 偽性 ) 血小板減少性紫斑病って、ITP とどう違うの?
このブログでは、医療の知識もあわせて詳しく書いていきます
特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) 確定診断がつく / はじめての血液内科
自分が勤めている病院からの紹介で “ すぐに行くように!” といわれて、
血液内科のある病院へ、早めに 受診にいきました。
紹介された病院が、たまたま 家の近くにありましたので、
とても助かりました。
血液の病気ですと、病院とのおつきあいが 長くなりそうですものね 。。
そうとはいえ、内科や外科などの科とくらべて、血液内科のある病院は、少ないのが現実です。
やはりどうしても、遠くの病院に 通わなくてはいけない、
という方も、多くいらっしゃるのも 現実ですね。
私はその分、恵まれていたとおもいます。
。。。
診察、検査の結果
特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) の確定診断 が つきました。
特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) の詳しい説明は
こちら《 特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) ってどんな病気? 》をご覧ください。
その時の血小板数は 4.4 万/μL でした。
正常値が 15〜35 万/μL ですので、だいぶ低いですね。
そして、出血時間を調べるのに『 デューク法 』という検査をしました。
『 デューク法 』
耳たぶをメスで傷つけて、出血してくる血液を 30秒ごとに、丸いろ紙で吸いとりながら、
血液がつかなくなった ( 血痕の大きさが 1mm 以下になったところ ) を、出血時間とする検査です。
正常値は、2〜5 分です。
私の出血時間は、20分しても止まらなかった ので、そこで終了。
終わったあと、メスで 傷つけた部分に、絆創膏をつけてくれたのですが、
出血が 止まらなかったので、何度か絆創膏を 貼りかえてもらいました。
しまいには、耳たぶをおさえて、しばらく座っているようにと、
検査室で かなり長い時間過ごしていました。
今まで、出血時間なんて 気にしないカラダでしたので、
実際に血が止まらない自分に、自分ながら びっくりしていましたね。
いつの間に、こんなカラダに なっていたんだろうって 。。
そして、検査データーが そろったところで、先生の診察となりました。
特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) といわれることは、覚悟してしていたので、
実際にいわれたときは『 やっぱりそうか 。。』という反応でしたね。
出血時間だけみても、あれは 異常 ですものね。
治療としては、『 今は様子をみていい 』といわれて、
薬などはなしで、通院フォローでいい ということになったのです。
一瞬『 えっ!!』と、なりましたよ〜
血小板数 4.4 万/μL ですよーー
いいんですかーーこのままでーーー
と、心のさけびが、口からもれて、先生にきいたのですが、
『 少し様子をみる 』と、再度 いっていたので、
いちおう 。。納得したことにしたのです。
しかしそのあと、先生の口から出た、聞きなれない いくつかの病名を聞いて、
おどろくことになったのです。
フォン・ヴィレブランド病ってどんな病気?
先生の口からでたのは『 フォン・ヴィレブランド病 』
へっ????
という反応でしたよーー
聞いたことがない病名 でしたので、何回も 聞きなおしていたら
先生が、紙に書いてくれました。
先生は、私が 看護師だということは 知っていたので
専門的なことを加えて、ペラペラ〜と 話してくれたのですが、
わからないですよーーー
このような病気はーーー
帰ってから じっくり調べたり
わからないことは、先生に 教えていただいたりして、理解をしていきました。
フォン・ヴィレブランド病(VWD : von Willebrand diseasevon )とは
フォン・ヴィレブランド因子( VWF )が、少ないか、そのはたらきに 異常があるために、
血が止まりにくくなる、遺伝性の病気 です。
フォン・ヴィレブランド因子( VWF )とは??
止血をするときに、血液を固まらせる重要な役割を果たしている、タンパク質のひとつです。
「 血を止める 」と聞いて 一番に思い浮かぶのは「 血小板 」ですよね。
その血小板を、傷口に集めて、かたまりを作ることを 助けているのが
この『 フォン・ヴィレブランド因子 』なので、
フォン・ヴィレブランド因子が少ないと、血小板は その機能を十分に発揮できないので、
出血が なかなか止まらない 。。
ということが おきるのです。
また( ちょっとむずかしいですが )
血液凝固因子第VIII因子という、血液が固まるために重要な因子の濃度を、
維持したりする役割もしています。
フォン・ヴィレブランド病の 病型は 3種類 あります。
- 1型 … フォン・ヴィレブランド因子が減少している
- 2型 …フォン・ヴィレブランド因子の機能異常
重症度によって、2A、2B、2M、2N型があります - 3型 …フォン・ヴィレブランド因子がない
3型が、もっとも重症です。
私は “ 1型か 2型の 微妙なところにいる ” ということでした。
症状は、主に 粘膜の出血が特徴であるらしく、
鼻血、歯ぐきなどの口腔内出血、皮下出血
血尿や、過多月経
切り傷で血が止まりにくい
などがあげられます。
私は、これらの症状のどれも、心当たりがなかったのですよ。
『 デューク法 』で、なかなか 血が止まらない自分に、びっくりしたくらいですから 。。
そしてもうひとつ、聞きなれない名前をいわれました。
EDTA依存性 ( 偽性 ) 血小板減少性紫斑病ってなに?
そして3つ目に
『 EDTA依存性 ( 偽性 ) 血小板減少性紫斑病 』
をいわれたときは、、もう驚きもしませんでしたね。
まだ あるんだ 。。
いくつあるのかな?
なんておもいながら、先生の話を聞いていました。
先生の話によると、この
『 EDTA依存性 ( 偽性 ) 血小板減少性紫斑病 』
は、病気ではありませんでした。
「 採血管の中でおきる 現象のひとつ 」だということです。
「 EDTA 」とは、血算用の採血管に入っている抗凝固剤のことです。
この現象がおきると、
その凝固剤に 反応してしまって、血小板が 凝集してしまうので、
その結果、数が少なく数えられてしまうのです。
反対に白血球は、多く数えられてしまいます。
自己免疫疾患の患者さんに、多くあらわれる現象 ともいわれているようなのです。
特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) は、自己免疫疾患ですものね 。。
関係があるのかな? とおもいました。
この現象の対策として、EDTA 以外の抗凝固薬を用いている採血管で採血をすれば、
正確な数を 把握できる ということなので、
私は「血算」という採血菅と、もうひとつEDTAを用いていない採血管のふたつで、
とることになりました。
『 EDTA依存性 ( 偽性 ) 血小板減少性紫斑病 』と『 特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) 』
は、似ていますが、
『 特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) 』は 自己免疫疾患。
『 EDTA依存性 ( 偽性 ) 血小板減少性紫斑病 』は、採血管の中でおきる現象。
ふたつは、全くちがうものでした。
私のなかではちょっと 。。
” 血小板の数が減少しているのも、EDTA依存性 ( 偽性 ) 血小板減少性紫斑病 のせいじゃないの〜”
なんて、あわい期待を したのですが、
いろいろなデーターがそろっているのを、目のあたりにして、
特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) を認めざるをえませんでした 。。。
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