【実録】腕がまっ青！特発性血小板減少性紫斑病(ITP)のはじまり/HTLV-1も発覚

私が、いちばん最初に診断された指定難病
『 特発性血小板減少性紫斑病 / ITP 』の “ はじまりの部分 ” を書いていきますね。

今は『 免疫性 血小板減少性紫斑病 』と呼ぶこともあるようです。

同時に判明したものにも、ショックを受けたあの日の出来事です。

最初の症状 / 突然の異変

職場の健康診断というのは、1年に1回は 必ずありますよね。

私の働いていた病院でも、もちろんありました。

そして、職場が病院ということもあって、
健康診断も、職場内で、すべておこなうことが 出来ていたんですよね。

その中で『 採血 』は、看護師同士で取りあって、
提出をすることになっていたんですよ。

時には、新人さんの練習台になって、取ってもらったりもしていましたね。
こうやって、先輩たちの腕をかりて、練習をしたりもするんですよ〜

そしてその時 私は、日勤帯で勤務の合間に、同期に採血をしてもらいました。

なにか 特別なことをしたわけでもなく、
普通に、普段どおりに 採血をしてもらったのです。

私の体調も、悪いところはなかったですし、元気いっぱいでしたよ。

そして、少し時間がたったところで、
ふと採血をしてもらった左腕に、違和感を感じたのです。

もう〜だるくてだるくて仕方がなくて、耐えられないんですよ。

その時働いていた病棟が、力仕事が 多いところだったので、
「 腕、使いすぎかな？」とも思ったんですよね。

それでも、尋常じゃないくらいの だるさだったので

『 これ、絶対におかしい 。。』と思って、
だるい部分の左腕をみたら、びっくり！！

採血をした時にまいた、駆血帯の部分を中心として、
15cmくらいぐるっと、真むらさき色になっていたのです。

『 えっっ 。。。』って、かたまりましたね。。

『 これって 。。内出血だよね 。。』
『 ん？ 血小板低い？？』

そう思った私は、すぐ病棟の主任をさがして、相談をしたのです。

特発性血小板減少性紫斑病の疑い

そして 。。ここからの展開がーー 早かった！！

なんていったって、ここは病院ですからね。

あっという間に、外来受診の手はずが整って、内科を受診することになったのです。

その頃には、先ほどとった 血液検査の結果ができあがっていて、
( たぶん、緊急で検査をしてくれたのだと思います )

その結果をもとに、診察がはじまりました。

そこで聞いた病名が
『 特発性血小板減少性紫斑病の疑い 』
『 HTLV-1 ( ヒトT細胞白血病ウイルス ) にキャリア 』
だということ。

ここで『 疑い 』となっているのは、
私が働いていた病院では、血液内科がなかったのです。

それでも、血液検査の結果、血小板が低く、内出血の出方も、その病気と類似している。
という理由で、血液内科のある病院を紹介されて、受診をすることになりました。

特発性血小板減少性紫斑病 ( ITP ) ってどんな病気？

特発性血小板減少性紫斑病は、
ITP ( Idiopathic thrombocytopenic purpura )
と 略されて呼ばれることもあります。

厚生労働省の指定難病のひとつです。

難病って？
指定難病ってなに？
と思った方は、こちら《指定難病とは》もご覧くださいね。

『 免疫 』
というのは本来、細菌やウイルスなどの異物が、体に入ってこないように、
防いだり、排除をしたりして、私たちのからだを守ってくれる 働きをするものなのです。

その『 免疫 』が、誤作動 をおこして、自分自身のものなのに、自己抗体がつくられて、
( 普通は、自分のからだに対して、抗体は作られません )

自分を攻撃して、破壊をしてしまう
『 自己免疫疾患 』のひとつが『 ITP 』なのです。

ITP は、血小板に対して『 自己抗体 』が作られます。

その結果、血小板の数が減少してしまうのです。

自分で自分を攻撃してしまうなんて 。。と思いましたが、
自分のことが大嫌いだった私は、嫌うたびに、自分を攻撃していたんだな 。。
なんて、のちに思いました 。。

種類

急性 ITP と、慢性 ITP に分けられます。

急性は、発症から６ヶ月以内に 治癒します。主に小児 ( 2〜５歳 ) が多いですね。
慢性は、発症から６ヶ月以上 病状が続きます。こちらは、成人が多いです。

私は「 慢性 」のほうですね。

検査

血液検査

血小板数 … 10万 /μl 以下
　　　　　 正常値は 15〜35万 /μl です。

その時の私の血小板は 4.4万 /μl　低すぎるでしょう！！
内出血するはずですよね 。。

赤血球、白血球の数や、形態には、異常が認められないのも特徴です。

その他に、血小板関連特異免疫グロブリン量や、自己抗体の測定などもおこないますよ。

骨髄検査

血小板が減少する病気は、ITP だけではないので、
他の病気と区別する必要がある時に、おこなうことがあります。

ちなみに 。。血小板をつくる巨核球は、正常または増加。
各種血球数の数や形態を調べるますが、ともに正常なのです。

のちにこの『 骨髄検査 』の経験も書きますが、2度としたくない検査です 。。
とはいえ 。。数多くおこなってきました。

症状

なんといっても、出血傾向 があることですよね。

『 紫斑 』( 皮下や皮内出血によって、皮膚に出来た紫色の班のことです )
に、私も悩まされていました。

紫斑は、その大きさによって、
点状出血、班状出血、びまん性出血、に分けられているんですよ。

私のそのほかの出血症状は、
鼻血
歯ぐきの出血
月経過多
などがありました。

気をつけなくてはいけないのは、
脳出血
消化管の出血
の可能性もあるので、注意が必要なんですよ。

そして、妙に疲れやすくなりましたね。

HTLV-1 ( ヒトT細胞白血病ウイルス ) ってなに？

ITP がわかった時に、同時にわかったのが
『 HTLV-1 ( ヒトT細胞白血病ウイルス ) 』のキャリアであることでした。

＊キャリアというのは、このウイルスを 体内に保有している人のことをいいます。

HTLV-1 ( ヒトT細胞白血病ウイルス ) というのは、
成人Ｔ細胞性白血病等の原因となる 病原性のウイルスです。
血液内の 白血球のひとつであるT細胞に感染します。

感染しても自覚症状もありません。

はじめてこの名前を聞いた、という方も いらっしゃるとおもいますし、

平成23年度からは 妊婦健診で、
検査が 実施されるようになりましたので、

妊婦健診で、または献血をした際に、
突然わかったという方も いらっしゃるとおもいます。

HTLV-1キャリアの約95％は、このウイルスが原因となって発症する病気を発症せずに、過ごすことができます。

そして残り約５％の人は、成人T細胞白血病（ATL）、HTLV-1関連脊髄症（HAM）、HTLV-1関連ぶどう膜炎（HU）等の病気を発症するともいわれています。

HTLV-1 に関する情報は、こちら《 厚生労働省のHP 》に詳しくありますので、
参考にしてみてください。

『 ITP 』『 HTLV-1キャリア』であることが、わかったときの私の思い

私自身『 ITP 』と『 HTLV-1キャリア 』
いきなりふたつの事実を、宣告されましたので、かなりショックでしたね。

“ 青天のへきれき ”とは、まさにこのことですよー

今まで、健康体で過ごしていましたのでね。

あっという間に患者になって、そして一気に 弱気になっちゃいました 。。

などなど 。。

こういう時って、ネガティブなことばかり、頭に浮かんでくるのですよね。

もう人をみている ( 看護している ) 余裕がなくなって、
仕事ができる感じでは、なかったです。

本当にすごい落ち込みようでした。

そんな時、
” 仕事にはいらっしゃい、人と会っていたほうがいい “
という、主任さんの言葉に後押しされて、

仕事に行って、専念しているうちに、
前向きに、ものごとをとらえる事が、できるようになっていったのですよね。

。。。

これら、いきなり難病患者になったり、
キャリアがわかったりしたことは、とてもショックな出来事でしたが、

『 本当の 患者さんの気持ち 』

に触れることができたので、看護師としてはよかったのかな〜と、のちに思いました。

やはり、体験しないと、本当のところはわからないですからね。

そんな思いをしながら、看護師と患者の私の生活が スタートしたのでした。

のちに 。。
この “ HTLV-1 発症か、成人T細胞白血病 ( ATL ) 発症の疑い ”
の、恐怖の出来事についても、書いていきます。